学科展示:小林大佑
地球環境にやさしい素材・材料が身の回りに増えてきました。
では、これまでの大量生産・大量消費の悪循環に、この調子でいけば終止符は打てるでしょうか。
地球環境にやさしくても、使い勝手、壊れにくさ、コストの面で優れた素材・材料が現状でいかに少ないことか。応用化学科は、環境を考慮しても人類の生活レベルを落とすことなく反映できる安全・快適で持続可能な社会の構築に貢献できるように応用科学の分野で社会の様々な課題に挑戦し活躍できる人材を養成しています。
分析化学研究室:保倉明子
「はかる」ことは科学の基本であり、環境化学においても、その役割は重要です。
私たちは新しい分析手法の開発を行い、その測定法を実際に身の回りの環境(水、土壌、植物、食品など)へ応用しています。
例えば、放射光X線を使って重金属を蓄積する植物の謎を解明し、植物を使った環境浄化技術(ファイトレメディエーション)に役立てます。
また有用な重金属を高濃度に蓄積した植物は、新たな元素資源となる可能性を持っています。
1日体験化学教室
「マイクロカプセルを作ろう」「やってみよう,有機合成」などいくつかの化学実験を用意しています。
原則、事前申し込み制ですが、空きがあれば、当日申し込みを受け付けます。
(後援)日本化学会関東支部
機能高分子化学研究室:鈴木隆之
いまどんな機能が発現しているかを高分子の色で表現します。
そのような機能性高分子をいくつか紹介します。
材料物性化学研究室:石丸臣一
土壌中の粘土の主成分である粘土鉱物は、人間を含めたほとんどの陸上生物にとって身近な物質であり、安全性が高いことと同時に、生命の起源となったと言われているほど様々な機能を持っており、なおかつ地球上に豊富に村座する資源で、環境調和性の高い材料の原料として有望です。
本研究室ではこのような粘土鉱物の材料への利用を中心として、希少金属イオンの吸着回収や、有害なイオンの除去、健康被害の元となる有機物蒸気を検出する次世代材料の研究など、環境に優しい材料開発を行っています。
生体反応制御研究室:夏目亮
生き物の細胞の中では、様々な酵素タンパク質がバランスよく働くことで、物質が分解される反応や生命活動維持に必要なエネルギー・物質を作り出す反応が起こります。
目に見えない小さな生き物“微生物”が持つ特殊な酵素タンパク質の働き、つまり微生物細胞の中で起きる特殊な反応を利用して、食品や薬の原料などのものづくりに役立てる研究をしています。
高分子材料デザイン研究室:宮坂誠
高分子材料デザイン研究室では、分子構造を自在に操れる有機・高分子合成化学を駆使し、
環状体、らせん、多孔体といった特殊な分子構造を上手にデザイン・合成し、
身近なプラスチックには無い優れた機能を有する機能性高分子を開発しています。ワークショップでは、
身近なプラスチックであるポリビニルアルコールを主成分とする洗濯ノリを用いて、
高分子物理ゲル(スライム)作りを体験してみましょう。
無機合成化学研究室:望月大
電池がない世界を想像してみてください。とっても不便ではないですか?
電池切れで困ったことありませんか?もっといい電池をつくるためにはどうすればいいのか、
電池はどのような仕組みで電気をつくりだしているのか、いろいろな実験をしてみましょう。
反応工学研究室:小林大祐
化学実験室では、小さなスピーカーやフラスコの中に薬品を入れて反応させるというイメージを
持っていると思います。工場で身の回りの多くの物質がつくられていますが、
大きなビーカーやフラスコで作っているでしょうか?
また、身近な例としてお店で大量のカレーを作る際に、具材の量を多くするだけで、
家で作るのと同じ方法で良いでしょうか?
大量生産するためにはどうすれば良いか?ということを化学工学では研究しています。
合成有機化学研究室:山本哲也
有機化合物は医薬品や農薬、スマートフォンや衣類など皆さんの身近なところにありふれており、
快適な生活に貢献しています。合成有機化学研究室では、「触媒」の力を使ってSDGsに貢献する
有機化合物の製造技術を研究しています。たとえば低エネルギーで省廃棄物の化学プロセスを実現する
新しい「分子触媒」の開発や、非可食バイオマス(トウモロコシの穂軸)から得られる有機化合物の
有効利用法の開発に取り組んでいます。